代表取締役

吉冨正幸

わたしが意識してきたこと、
コロナ禍になって思うこと

 会社のHPに社長としてコメントを載せることが意外に難しいのは、誰に向かって書いたらよいのかわからないからです。仕入先や販売先の方が読むかもしれないし、社員かもしれない、あるいは就活中の学生さんかもしれません。どなたが読んでも失礼にならないことを意識しすぎると、無難な紋切り型の面白くも何ともない文章になってしまいます。と言い訳を続けて長いことHPの更新をさぼってきましたが、社員にケツを叩かれて、ついに書くことになりました。自分に忠実に、自分の人となりが少しでも伝わればいいのですが———。

■わたしが社長になって意識してきたこと

その1. 
No.2の報酬は社長の75%以上であること

アメリカの銀行が、顧客企業の経営がうまくいっているかどうかを判断する基準作りを模索したそうです。多くの企業を定性的にも定数的にも調査した結果、継続して成功している企業に唯一の共通点がこれだったそうです。社長の報酬がNo.2の2倍以上ある会社はワンマン経営となって次代まではもたないということでしょう。

その2. 
人事以外の情報は社内に公開すること

業績が不調の時は社長を含む役員が率先して報酬を引き下げて経費節減を図らなくてはいけませんが、社員のボーナスも削る必要があります。その時業績を公開していなければ社員の納得感は得られません。接待交際費の消費額ランキングも、社長以下公開します。つい忘れがちになりますが———。海外子会社が経済マフィアによって乗っ取られそうになった時は、社外にも公開して色々な方々の協力を仰ぎました。

その3. 
社長が会社のカネを使う時の判断基準は、他の社員が同じことをしても許容できるかどうか

オーナー経営者に対して耳の痛い諫言をしてくれる社員はいないと思わないといけません。自分を律する、セルフコントロールができないと社員も、社長があれくらいやってるんだから自分もこれくらいはいいだろうと会社のカネをジャブジャブ使うようになります。

その4. 
経営は矛盾の塊、矛盾のバランスをどう取るかが大切

先に情報公開と書いたように民主的な経営を心掛けてはいますが、経営は多数決ではありません。多数決なら社長はいらない、全員に反対されても押し通すべきことはあります。中小企業にとって営業は極めて大事ですが、最優先というわけでもありません。営業と経営が矛盾することもよくあります。

色々あってキリがありませんが最後に一つ

■コロナ禍になってわかったこと

コロナが蔓延したとき、社内にITに詳しい人材がいてくれたお陰で、比較的早くテレワークに取り組むことができました。それから2年経過して継続中です。若い社員にコミュニケーション不足による問題が生じていないか気がかりな面はありますが、業績には悪影響は出ていません。我々の社員は知的レベルの高い知識ワーカー、自発的に行動できる人間揃いだと改めて感じています。

以上